トランプ大統領決定後のオバマ大統領のスピーチ(1)

まさかのヒラリー・クリントン候補が敗北を喫し、オバマ大統領にとっても予想外の結果であったであろう2016年のアメリカ大統領選。ここでは、オバマ大統領が、トランプ氏の掲げる「アメリカ第一主義」を自分の言葉で捉え直し、なおかつ自身の想いも加えて話している部分を抜粋しました。演説巧者たるオバマ氏の真骨頂と言えるスピーチです。
(2:50~)
Now, everybody is sad when their side loses an election. But the day after, we have to remember that we’re actually all on one team. This is an intramural scrimmage. We’re not Democrats first. We’re not Republicans first. We are Americans first. We’re patriots first. We all want what’s best for this country. That’s what I heard in Mr. Trump’s remarks last night. That’s what I heard when I spoke to him directly.

さて、選挙に負けた側は全員悲しんでいます。しかし、選挙後には、私たちは実際のところ、全員がひとつのチームなのだということを思い出さないといけません。選挙とは、身内内での闘争なのです。民主党が第一でも、共和党が第一でもありません。アメリカ国民こそが第一なのです。愛国者こそが第一です。私たちはみな、この国にとってのベストを望んでいます。それこそが、昨夜トランプ氏の言葉から私がくみ取ったことです。それこそが、彼と直接話したときに聞いたことです。

【感想】
トランプ氏が掲げる「アメリカ第一主義」を、オバマ大統領自身の言葉で言い換えています(選挙中は、あんなに批判していたのに……)。短いセンテンスで、Weをくり返し用いるのも団結を呼びかけるのに効果的です。That’s what I haerd in his remarks(それこそが私が彼の発言からくみ取ったことです)は、第三者の発言を好意的に解釈するのに役立つ表現と言えるでしょう。

And I was heartened by that. That’s what the country needs―a sense of unity; a sense of inclusion,; a respect for our institutions, our way of life, rule of law; and a respect for each other. I hope that he maintains that spirit throughout this transition, and I certainly hope that’s how his presidency has a chance to begin.

その言葉に私は元気づけられました。そこれそがこの国必要なものです。つまりは、一体感、当事者意識、制度・生活様式・法の秩序を重んじる意識、そして互いを思いやる気持ちです。今回の引き継ぎでトランプ氏がそういった精神を受け継いでくれることを願っていますし、そのようにして、トランプ氏が大統領職を始める機会となることを切に願っています。

【感想】
hearten(~を元気づける)を使った表現、I was heartened by that. (私はそれによって元気づけられました)も実用的です。その後、a sense of unity(一体感)から具体例を挙げ、自信の言葉でさらに肉づけしています。選挙中に問題ししていたトランプ氏の差別発言にはふれず、氏の主張の良いところをフォーカスし、なおかつ自分の理念をも滑り込ませています。トランプ氏に対する牽制の意味もあるでしょう。

↓抜粋部分の音声になります。繰り返し聞いてみましょう。

(次の記事へ)